キャンプを始めるためにテントを買ったけど・・・
- カビが生えてしまった
- 汚れが取れなくなってしまった
- 雨を弾かなくなってしまった
などの経験をしたことがないでしょうか?
これは値段が安いテント、高いテントに関係なく起こりうる話なので、キャンパーであれば最低限の手入れやメンテナンス方法を知っておく必要があります。
私が某アウトドアメーカーの社員として働いていた頃、「新品でテントを買って、数回しか使っていないのに加水分解した」というお話を数年に1回は耳にしました。
※加水分解とは、化学物質と水が反応して分解し、生地がベタベタになってしまったり、異臭を放つ状態になってしまうことです。この状態になると元に戻すことはほぼ不可能で、テントの寿命といわれます。
加水分解は経年劣化だけで起こる事象と思われがちですが、テントやタープの保管方法を誤ると、1、2回使っただけでも起こってしまう場合があります。
この記事を読んでいただいた方には、そうならない方法を詳しく紹介していきます。
1.キャンプ場で、できるだけ手入れをする
これが誰にでもできる1番簡単で、1番効果的な方法です。
テントやタープを撤収する前に、以下のことをしてあげるだけで長持ちに繋がります。
シート生地についた汚れ、水滴を拭き取る
野営であれば帰宅する日、キャンプ場であればチェックアウトをする日、朝食を作る前にフライシート、インナーテント、シェードスキンに付いた砂や結露で出た水滴を拭いてください。
手で払うよりも、『マイクロファイバー』などのクロスを使って、優しく拭いてあげると効果的です。
※あまり強く擦ると、シートの耐水コーティングが傷つくので撫でるように拭いてください
しっかり乾かしてから収納ケースに入れる
砂や水滴を拭きあげたら、できるだけテントやタープを乾燥させてください。
これをしないと、冒頭でもお伝えした『加水分解』の原因になります。
他にもカビが生える原因や、耐水圧が落ちる原因になり、致命的なダメージを負うことになりますので、乾燥は必ず行なってください。
「キャンプの朝は忙しくて乾燥させる時間がないよ!」って方は、車のシガーソケットでも使える『ブロアー』を使って、時短するのもありです。
※短い時間で、日陰で乾かすのがベスト
自宅での保管時に気をつけること
収納ケースに入ったテント、タープを自宅で保管する際は、場所選びに注意してください。
紫外線と湿度はテントにとって大敵なので、下のような場所で保管してください。
- 直射日光が当たらない場所
- 風通しの良い場所
もしも、風通しの良い場所に置けない場合は、衣装ケースやタンス用に売られている乾燥剤を収納ケースに入れるのがオススメです。
2.自宅でメンテナンス
天候や時間の関係で、先ほどの手入れができなかった場合や、もっと完璧なメンテナンスをしたいという方は以下の方法がオススメです。
頑固な汚れを落とす
多少の汚れであれば、庭やベランダ、屋上にシートを広げて『マイクロファイバー』などのクロスで、優しく拭きあげるだけで大丈夫です。
しかし、焚き火の灰や匂い、汗や食事の匂い、TCテントやVCテントに付いた汚れは中々取れません。
そんな時は大きなタライやバケツ、浴槽などを使ってぬるま湯で軽く洗うと、臭いや汚れが意外と落ちます。それでも落ちない場合は、中性洗剤を少量だけ入れて手洗いしてみてください。
※中性洗剤はコーティングを痛めますので、よほどの汚れや匂いがない限りオススメしません
せっかくなので、ペグやガイロープも一緒に洗いましょう。
特にペグは土や泥が付いたまま放っていると、錆びてしまうので要注意!
タワシやブラシなどを使って水洗いし、水気を拭き取って乾燥させてください。
乾燥させるコツ
先ほどの手順で水洗いした後は、いつも以上にしっかり乾かしてあげましょう。
特にテントの場合はドーム型の形状なので、ベランダや物干し竿に吊るしても水が溜まることがあります。数時間に1回、干し方を変えてあげることで、満遍なく乾かすことができます。
できれば陰干ししてあげると、紫外線によるダメージを減らせます!
自分でコーティング
ほとんどの方は汚れを落として、乾燥して、収納ケースに入れておけば充分です。
ここから先は
- キャンプが大好きすぎる方
- もっとメンテナンスを知りたい方
- 人一倍テント愛がある方
に向けた内容です。
結構、手間が掛かる作業なので、心して読んでください!(笑)
その方法はテントやタープをしっかり乾燥させた後、防水スプレーをシート全体に振りかけてください。
これだけ聞くと「は?それだけ?」と思われるかもしれませんが、ポイントは防水スプレーを振りかけるタイミングと頻度です。
ほとんどの方が防水スプレーを使うのは、水が弾かなくなってからだと思っています。
しかし、実はそれだと手遅れなんです。
耐水圧がなくなってから防水スプレーを使っても、数時間雨に降られると効果がなくなる。
「防水スプレーを使っても意味がない」とか、「すぐに効果が切れた」という人がいるのは、これが原因です。
なので、テントの耐水圧を長持ちさせたければ
- 新品でテントやタープを購入したら初回使用時に防水スプレーを振りかける
- 数回使ったら再度、防水スプレーを掛ける
この2点を徹底することが重要です。
読んで想像するだけなら簡単に思いますが、いざやってみると大変な作業です。
シート生地に穴が空いたり、縫い目からの雨漏り
この修理を自分でしようと思うと難しい作業なので、保証期間内であったり、修理受付をしてもらえるのであれば、メーカーに依頼することをオススメします。
amazonや楽天などで、穴を塞ぐための『リペアシート』、縫い目補修のための『シームシール』が販売されており、家庭用のアイロンを使って修理することも可能ですが、綺麗に修理できなかったり、温度調節を間違えると生地を溶かしてしまう場合があります。
なにより、広い作業スペースが必要になります。
3.裏技
最後の方法はテントやタープを乾燥してくれるサービスを利用する。
スノーピークではお馴染みのアフターサービス(乾燥のみ)ですが、他のメーカーのテントを使っている人は利用できないサービスです。
しかし、上のリンク先の会社であれば、どのメーカーのテントを使っていても受け付けてもらえます。
しかも、コンビニかヤマト営業所から送れて、乾燥と清掃もしてもらえるのが嬉しい!(汚れがひどい場合は別途料金が掛かる)
愛着があるテントは自分でメンテナンスをしたいですが、梅雨などで雨が降り続く予定だったり、マンションやアパートに住んでいる場合は自宅でメンテナンスするのが難しかったりします。
毎回利用するのは金銭的に難しいので、次回のキャンプまで少し期間が空くタイミングで利用するのがオススメです!
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